「高度専門職」は平成27年4月からスタートした在留資格で、(イ)「研究」、(ロ)「技術・人文知識・(国際業務)」、及び(ハ)「経営管理」の在留資格に該当する3つの分野において、ポイント制によって高度人材と認められた人だけに許可される在留資格です。
「高度人材ポイント制」自体は平成24年から導入されており、経済成長などへの貢献が期待される高度な能力を持つ外国人に対して出入国管理上の優遇を与えることによりその受け入れを促進するという狙いがあります。
上記イ、ロ、ハの3つの分野の在留資格で活動している方は下記ポイント計算表で合計70ポイント以上になると「高度専門職」の申請が可能です。
(出典:入国管理局ホームページ)
「高度専門職」には1号と2号があります。
ポイント計算のしかたは1号、2号とも同じですが、下記の要件を満たすと2号に変更可能となります。
①活動期間3年以上
②素行が善良である
③在留が日本の国益に合する
尚、1号の在留期間は5年間ですが、2号になると無期限になります。
「高度専門職」の在留資格を取得すると次のようなメリットがあります。
1、資格外の活動が自由にできる
一般の就労ビザの場合はその在留資格に基づく就労活動のみが許可されており、それ以外の就労活動を行う場合、「資格外活動許可」や「在留資格変更許可」を受けなければなりませんが、「高度専門職」はこれらの許可なしで複合的な就労活動を行う事ができます。また2号はこれと併せてほぼすべての就労資格の活動を行う事ができます。
2、在留期間:1号は5年、2号は無期限
一般の就労ビザの場合は在留状況等に応じて在留期間が決定されますが、「高度専門職」の場合、1号は一律5年、2号は無期限となります。
3、永住申請の要件緩和
一般の就労ビザの場合は永住申請時に引き続き10年以上在留しているという条件がありますが、「高度専門職」の場合、次のいずれかに該当すれば申請が可能です。
ア、3年以上継続して在留(80ポイント以上の方は1年)
イ、3年以上継続して在留している者で,永住許可申請日から3年前の時点に70ポイント以上有していたこと。(80ポイント以上の方は1年前の時点)
4、優先処理
在留資格認定証明書交付申請は10日、更新、変更申請は5日以内という短期間で優先的に処理されます。(一部除外あり)
5、配偶者の就労が可能
一般の就労ビザの方の配偶者は家族滞在の在留許可になりますので就労活動はできません(資格外活動許可による就労を除く)が、「高度専門職」の場合、配偶者は「特定活動」の在留資格を与えられ、「教育」、「技術、人文知識・国際業務」の在留資格に該当する就労活動を行う事ができます。
※ただし「高度専門職」の方との同居、及び日本人と同等以上の報酬を受ける必要あり
6、親の帯同
一般の就労ビザの方は通常は親の帯同が認められておらず、高齢の片親で本国に扶養できる者がいない場合に帯同が可能となるのみですが、「高度専門職」は下記のいずれかの場合に本人か配偶者のどちらかの親を帯同する事ができます。
1、本人または配偶者の7歳未満の子を養育する場合
2、本人または配偶者が妊娠中で介助を要する場合
※ただし「高度専門職」の方との同居、かつ世帯年収800万円以上
7、家事使用人の帯同
一般の就労ビザの方は通常は家事使用人の帯同が認められておらず、「経営管理」や「法律会計業務」で在留する一部の外国人のみ帯同が可能ですが、「高度専門職」は下記の場合に家事使用人を帯同する事ができます。
①本国で1年以上雇用していた家事使用人であること(18歳以上で月額報酬20万円以上)
②13才未満の子、または病気などで日常家事に従事できない配偶者がいること
③世帯年収が1000万円以上であること
以上、大変優遇される在留資格なので該当する方は変更申請されることをお勧めします。
当事務所では『高度専門職』ビザについて申請の代行を承っております。
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